【自慢の幼なじみ】

彼女は京都で、神社やお寺に納める日本の芸術的な工芸師です。

何て言う肩書きなのかは、勉強不足で分からずにいるのですが、よく、歴史の教科書で観るような、金や銀の豪華絢爛な金属の芸術的な神社やお寺に付いているものを製作しています。

一度、久しぶりに彼女の子どもたちと東京に帰って来た時聴いた事があります。「この作品は自分が作ったと、名を刻みたいとは思わないの?」と。

その時、彼女は、「アーティストや、芸術家よりも、日本の伝統を引き継ぐ職人になりたいから、名前を売りたいという気持ちは無いんだよ。」という返答でした。

幼少期から、超頭がよくて、超ピアノが上手で、何でも出来た彼女が、大学院を中退してまで魅せられた、伝統工芸です。

そして、男社会の職人の世界で、「産休などの、制度を社長さんと話し合って作っている所。」と、なんなく言う彼女は、本当に逞しく、自慢したく、思います。

彼女が、職人になる日が来るとは、あのお互いの家でケーキを食べていた、幼い頃の私達には想像だにしませんでした。