【ドライブ・マイ・カー】

ご存知、村上春樹先生原作の、アカデミー賞外国映画部門受賞の凱旋記念上映を拝見致しました。

【救いの無い日常を生きていかねばならない】現実を、ロシア戯曲を用いて、何度も何度も繰り返し諭していました。

日本でのロケ地は、地方でも、都心でも、道路が限りなく整備されており、早朝の撮影と思われる中、更に車通りもスムースで整備の行き届いたインフラをこれでもかと、見せつけてくれます。

使われていた車は赤いSAABで、90年代に流行った角ばった2ドアの美しい車でした。

過去と現在の、整備の行き届いている環境のなか、日常をなんとかやり過ごす、人々の、たまに溢れ出る感情のキビに思わず涙しました。

お洒落な日常生活を隈なく観察しているうちに、映画の世界に入っていました。

私の過ごす、私たちの過ごす鬱屈とした日常の続きのような映画なので、心は晴れません。

【生きていかなければならない】と訴える主人公が、輪をかけて、気持ちを塞いでいきます。

終始曇り空のような映画を彩っていたのは、衣食住の、派手さは無くも、上質そうなインテリアや、おそらく、製氷機ではなく、手で削っていそうな、ウィスキーの丸氷、妻に掛けるブランケットが、使い古しているけど紺色の麻だろうところ、瀬戸内を眺める宿の、古民家を今風にリノベーションした美しさ。

また、最初にも、触れましたが、日本の道路の昼夜問わずの美しさが良かったです。

道路も人生も、続いていきますが、少しでも心地よい状態を保って、進んでいく事が大切だと、日常を夫と、心地よく過ごして行こうと思います。

 

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