【夜の首都高】

夏前に窓を開けて過ごすと、

寝静まった街に、夜の首都高の音が響く。

私はその無機的な静寂と機械音とを聴くと心から落ち着く。

まだ幼く、夏休みに、田んぼの中にある家や、山の中の小屋に泊まったとき、おそれを感じた。壮大な蛙や蝉の音や、蛍光灯の元では似合わない程の大きすぎる虫。

自然の中にいる事が不自然になっていた。