【画家とモデル①】

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僭越ながら自身がモデルをつとめる経験があるため、美術館で目にする描かれた対象となる女性たちに(女性たちの運命に)関心を持った。

絵画の中だけで存在し、画家の作品の中でしかその存在を証明できない、名を無くしていく幾数もの女たち。彼女たちは幸せに生きたのだろうか?

今まで読んだ本の中から、結論を先に言うと、幸せになるも、そうでないも、人それぞれ。また、女性を取り巻く時代背景や、女性の性質に基づき運命が決まる。という、絵のモデルをしたから人生が狂った女性は当初思っていた程は居なかった(99%くらいは不幸な一途を辿ると予測していたが、実際に本を読んでみると、不幸まっしぐらな結末は感覚として80%位に留まる)見られなかった。

ただ、運命を狂わされた女性は、金銭の授受に関わらず、衝撃的に不幸な人生を最後まで走りきっている。画家にはあまり近づかないほうが良さそうだ。

私がいいなと思ったモデルたちは、ミレーの最初の妻である【ポーリーヌ・ヴェルジニー・オノ】、ボナールの妻である【マルト・ボナール】、ピカソのモデルで唯一生き残ったとされる(ピカソのモデルをしている間は妻から、ピカソの元を去ってからはピカソから猛烈な嫌がらせを受けているが・・)【フランソワーズ・ジロー】、サルバドール・ダリの妻である【ガラ・エリュアール】。

そしてモデルとして、女性として一番の成功者と感じた女性は、自身を描いた【タマラ・ド・レンピッカ】です。

ダントツで私がモデルとなりたく無い画家は沢山いるが、1番嫌なのはピカソピカソと4名のモデルを務める女性たちについての本やページを読んでいたとき、知恵熱が出るような、頭が混乱する衝撃を持った。

 

以下、私が最近読んだ、画家とモデルに関する本一覧。

・【画家の妻たち】著:澤地久枝 文藝春秋社(1993年)

・【美貌のひと】著:中野京子 PHP新書(1996年)

・【誰も知らない印象派 娼婦の美術史】著:山田登代子 左右社(2010年)

・【ピカソとの日々】著:フランソワーズ・ジロー/カールトン・レイク 訳:野中邦子 白水社(2019年)

・【画家とモデルー宿命の出会い】著:中野京子 新潮社(2020年)